Dawn it, shut it, release it
タルトの残り生地を適当に丸めて、クッキーにした。
タルトとクッキーが焼ける間に賄いを食べていて、鶏肉や野菜を口の中に入れながら、目の前で、残り時間が少なくなっていくオーブンのタイマーをみていた。
息を続けるために身体の中に命を入れている間も、時間はどんどん減っていくんだなぁと妙な気持ちになった。
帰り道、冬のうたを聴きながら泣くのを我慢していたら、喉の反対側まで熱くなった。
コンタクトに涙が溜まって、信号機とタクシーの光が滲んで、ずっと昔に雨の中を自転車で走った日に眼鏡についた雨粒のことを思い出した。